第40回
人権 スケッチ
地域で温かく見守る子どもの居場所づくり
ある夏休みの平日、校区の公民館の一室で小学1年生から6年生までの児童約120人が宿題に取り組んでいました。ボランティアの大学生に計算の仕方を教えてもらったり、友達と肩を並べて漢字の書き取りや計算ドリルを解いたり。昼食時には地域の人が作ったカレーをおいしそうに食べていました。
少子化や核家族化が進み、ピーク時には児童数が千人を超えていたこの地域の小学校も、今は300人にまで減りました。以前に比べ、公園や運動場での遊びを通して、子どもたちが自分の居場所や友達との心のつながりを築くことが難しくなっています。家の中で一日中ゲームに夢中になり、友達と遊ぶことがない子どもや、家庭の事情で家族と一緒に食事を取ることができない子どももいます。そんな子どもたちに地域で安心して過ごせる場所を提供しようと、公民館と社会福祉協議会が主体となってこの取り組みを始めました。
「子どもたちが地域の人々の温かい気持ちに触れ、友達と楽しそうに過ごす姿を見ると、この活動を始めてよかったと思います。来てくれる子どもの数も増えました。今後は保護者の協力も期待しています」と公民館の館長は話します。
子どもが地域の人に見守られ、安心して成長していけるまちづくりは、「みんながやさしい、みんなにやさしいまち」につながっていきます。
■問い合わせ先/人権啓発センター
電話 092-717-1237
FAX 092-724-5162