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掲載号:2020/08/01   特集記事, 市政だより記事

博多の伝統芸能 2020/08/01

お問い合わせの際は、過去の記事もございますので、掲載時期をご確認ください。

博多には、「博多にわか」「博多独楽(こま)」「筑前琵琶」などの誇るべき伝統芸能があります。

 

漫画家で、「博多町家」ふるさと館の館長でもある長谷川法世さんに伝統芸能について聞きました。

 

長谷川法世の写真

 

●芸どころ「博多」

博多は大陸に近く、古くから海外交易の窓口として、日本のどこよりも早く新しい文物に触れる機会がありました。

それと、昔から博多の人は人を楽しませるのが好きだったんですね。

 

例えば、博多どんたくの起源である博多松囃子(まつばやし)もそうです。

正月に庶民たちが行列を組んで領主にあいさつに行くときにただ「祝うたァ!」というだけでなく、面白いことをして楽しませようとしました。

それが松囃子の後ろに続く「通りもん」と呼ばれる人たちです。

 

今もどんたくのパレードや演舞台で、たくさんの人が趣向を凝らして歌や踊り、楽器演奏などを披露しています。

全国に松囃子はありましたが、昔ながらの形で残っているのは博多だけだといわれています。

 

これが芸どころといわれるゆえんでしょう。

 

 

●芸は知れば知るほど奥が深い

私は、米国の映画や音楽に憧れたことがありました。

実際に現地に行って感じたのは、やっぱり自分は日本人なんだということです。

それ以来、博多にわかや三味線、博多で古くから歌われてきた古謡などに親しんでいます。

毎日三味線で長唄を練習するので、そばで聞いていた家族も歌詞を覚えたほどです(笑)。

芸事は奥が深く、稽古をすればするほど上達するので楽しいですよ。

伝統芸能の楽しみ方は人それぞれです。

福岡市内では、博多にわか、舞踊、三味線、民謡などのさまざまな団体が活動しています。

気軽に参加してみませんか。

きっと新しい発見があるはずです。

 

 

博多にわか半面のイラスト博多にわか

博多にわかは、世相の風刺や日常生活の機微を博多弁で表現し、最後は同音異義語の語呂合わせで「オチ」をつける、福岡市指定の無形民俗文化財です。

頭に「ぼてかづら」をかぶり、顔に半面をつけるユニークなスタイルで演じます。

 

頭に「ぼてかづら」をかぶり、顔に半面をつけ博多にわかを演じている写真

 

博多にわかの起源には諸説ありますが、江戸時代に大阪で庶民が演じた「にわか芝居」が全国に広まり、幕末頃に博多に伝わったというのが通説です。

明治時代には、多くのにわか愛好家の団体が登場しました。

最盛期には市内数十カ所に仮設舞台が立ち、盆明けの5日間、夜通しでにわかを競い合いました。

 

 

 

●笑いの根底にあるのは人への思いやり

博多にわかは、ほのぼのとした笑いを誘います。

 

博多にわか ー祝う会ー 博多にわか半面のイラスト

「おじいちゃん、おばあちゃんば祝う会は毎年した方がよかろうね」

「そらぁ、そうくさ、恒例(高齢)で祝うがよか」

 

 

福岡市内の複数の博多にわかの団体で構成される「博多仁和加(にわか)振興会」の相談役・松崎真治さん(89)は、

「ただ面白ければいいというのではありません。例えば、敬老会では高齢者を敬う気持ちを、結婚式では新郎新婦の幸福を願う気持ちなどを笑いに込めます。人を傷つける笑いではなく、人を笑顔にして元気にするのが博多にわかです。庶民から生まれた芸であることから、素朴さも大切にしています」

と話します。

 

ぼてかづらの写真。博多張子で作られることの多いぼてかづらは,野球帽にフェルトの布を縫い付けて。半面は空き箱を利用するなど,どちらも演者の手作り。

 

 

 

博多にわかを作ってみませんか

博多仁和加振興会には、現在約90人の会員が在籍しています。

 

博多仁和加振興会メンバーの写真

 

 

2020年は新型コロナウイルスの影響で中止になりましたが、毎年、博多どんたくや「山笠奉納にわか大会」に出演する他、8月に行われる「博多盆仁和加大会」で、作品を発表し、皆で腕を競い合っています。

 

教えてもらった博多にわかを披露する子どもたちの写真

 

同振興会の相談役・志岐賢治さん(69)は、

「博多にわかは、言葉で小さな幸せをつくります。笑いが受ければ、自分もうれしいし、相手の気持ちも和みます。うまいにわかを作るためには、まずたくさんの作品に触れ、たくさん作ることです。最初は、作品集などに紹介されているにわかをまねするだけで構いません。しだいにオチの付け方や話し方のこつがつかめるようになります」

と話しています。

 

博多町家ふるさと館で販売されている博多にわか集の写真

 

 

 

 

定期公演の開催や動画配信も

毎月第1土曜日・第3日曜日午後1時と2時から、「博多町家」ふるさと館の町家棟で公演を行っています(各30分、無料)。

また、動画サイト(「今週の博多にわか」で検索)でも作品を紹介しています。

 

動画サイト「今週の博多にわか」に出演する会員の写真

 

 

 

博多にわか講習会を開催します

芸歴豊富な会員が、博多にわかの歴史、作り方、演技の仕方を分かりやすく説明します。

作品の添削指導も行います。

新型コロナウイルス感染対策のため、マスクを着用して参加してください。

 

【日時】2020年8月12日~12月9日の第2水曜日
午後1時~2時半(受け付けは午後0時50分から)
※1日のみの参加でも可場所奈良屋公民館(福岡市博多区奈良屋町)

【問い合わせ】博多仁和加振興会・高平
(電話090-7472-1788 FAX092-566-7546)

【定員】各回30人(先着)

【料金】無料

【申し込み】不要

 

 

 

 

博多こまのイラスト博多独楽

今から約1300年前に、日本に中国から竹製のこまが伝えられました。

子どもの遊び道具として親しまれてきたこまを、芸能の域にまで高めたのが博多独楽です。

 

博多独楽は木の台に鉄の心棒を打ち込んだこまです。

回転時のバランスが保ちやすいことから、刀や扇の先で回す曲芸が生み出されました。

約450年前のことです。

 

その後、博多の独楽師が京都や江戸に上り、人気を博しました。

江戸で独楽師が活躍する一方で、博多には独楽師がいなくなりました。

 

明治時代になり、博多独楽が再興されました。

後に家元制度を確立したのが初代筑紫珠楽(ちくししゅらく)です。

現在は、孫で3代目の筑紫珠楽さん(45)が継承しています。

 

3代目の筑紫珠楽さんの写真

 

 

●自分で独楽を作り、回すのが博多独楽師

博多独楽に仕掛けはありません。

曲芸は、独楽の回転数を計算しながら行われ、その感覚を習得するために練習を重ねます。

3歳で初舞台を踏み、10歳のお披露目までに20種ほどあるうちの2~3種の芸を習得します。

 

中学生になると独楽の制作に取り掛かります。

自ら作ったものが自分の手に一番なじむからです。

山に入って原木を伐採し、木を削り、さまざまな工程を経て一つの独楽を完成させるまでに5年はかかります。

 

 

●独楽文化を伝えていく役割も

公演や制作の傍ら、小学校で子どもたちにこまづくりやこま遊びを紹介しています。

「先人たちがつくった歴史を後世に継承していくのは宗家としての務めです。文献に残された技を調べ、新しい芸に高められるよう研究しています」

と、筑紫珠楽さんは話します。

 

博多独楽を絵付けする筑紫珠楽さんの写真

 

 

 

 

筑前琵琶のイラスト筑前琵琶

琵琶の起源には諸説ありますが、中近東で生まれた楽器といわれています。

シルクロードを渡り、中国を経て約1300年前に日本に伝わりました。

九州を中心に、盲目の僧が宗教音楽として弾く「盲僧琵琶」が広まり、「薩摩琵琶」「筑前琵琶」が生まれました。

南区高宮の成就院には、筑前盲僧琵琶の祖とされる玄清法印(げんせいほういん)がまつられています。

 

筑前琵琶は、明治時代中期の琵琶奏者・一丸智定(ちじょう)(後の初代橘旭翁(きょくおう))が、薩摩琵琶や三味線を研究して新しく作り出した音楽で、旭翁自ら筑前琵琶と名付けました。

弦の数が4本から5本になり、より多彩な旋律が奏でられるようになりました。

ばちを叩きつけるような奏法で勇壮な音を出す薩摩琵琶に比べ、柔らかな音色の筑前琵琶は、明治末期から大正期にかけて全国的に流行し、女性たちの習い事の一つになりました。

 

 

●幽玄なる物語の世界を表現

筑前琵琶は、語り(歌)と琵琶の音色で平家物語などの歴史物語の世界を表現します。

筑前琵琶福岡旭会会長の米村旭翔(きょくしょう)さんの写真

 

筑前琵琶福岡旭会会長の米村旭翔(きょくしょう)さん(76)は、

「琵琶は音が震え、余韻が長く残り、聴く人を幽玄の世界へといざないます。大きく小さく、遅く早く、緩急をつけて時に勇壮に、時に繊細に物語の情景や登場人物の心情を表現します。中でも、抑えた感情の中から、にじみ出てくるような悲しみを、臨場感たっぷりに表現する場面は演者の腕の見せどころです」

と話します。

 

 

●身近に感じてもらうために

筑前琵琶の語りでは、聞き慣れない古語も出てくるため、演奏の前には誰が聞いても分かるように平易な言葉で、物語のあらすじや言葉の意味が説明されます。

近年は、異なるジャンルの舞踊や朗読などとの共演も行われています。

 

毎月第1水曜日午後1時~3時に、「博 多町家」ふるさと館で行われている公開稽古の写真

 

 

 

博多のまちの 暮らしと文化に触れてみよう

「博多町家」ふるさと館では、明治~昭和初期にかけての博多のまちの暮らしと文化を紹介しています

 

「博多町家」ふるさと館の写真

 

展示棟では、博多松囃子を再現した模型や博多祇園山笠の映像、工芸士による制作の実演などを見ることができます。

また、明治中期の博多織元の住居兼店舗・工房を移築復元した町家棟では、毎日午前11時~午後1時、午後3時~5時に博多織の制作実演を行っています。

 

受話器を取ると博多弁の会話が聞けるコーナーの写真

 

8月9日(日)は、開館25周年を記念し、展示棟を無料開放します。

入館者に冷たいマスクを進呈(なくなり次第終了)するほか、中学生以下にはみやげ処(どころ)で使えるお菓子券をプレゼントします。

※今夏は夏まつりや縁日は実施しません。

 

 

 

「博多町家」ふるさと館

【場所】福岡市博多区冷泉町

電話 092-281-7761
FAX 092-281-7762

【開館時間】午前10時~午後6時
(入館は5時半まで)

※展示棟と町家棟は、7月・8月は午前9時から。

【料金】展示棟のみ一般200円、
中学生以下・市内に住む65歳以上無料

【休館日】第4月曜日
(祝休日の場合は翌平日)
※みやげ処は営業

 

 

●展示棟での伝統工芸の実演

(午前10時~正午、午後2時~4時)

(月)(金)(土)(日)博多人形

(火)博多張子

(水)博多独楽

(木)博多曲物(まげもの)

 

 

プレゼント

長谷川法世さんの直筆色紙を抽選で1人に差し上げます。

はがきに住所、氏名、年齢、「あなたが最近幸せを感じたこと」を書いて、8月11日(必着)までに広報課「色紙」係(〒810-8620市役所10階)へ。

当選者には8月17日頃発送します。

 

長谷川法世さんの直筆色紙の写真

 

 

 

■問い合わせ先/まつり振興課
電話 092-711-4359
FAX 092-711-4354

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